デジタル途上国、日本の課題

社会問題

こんにちは。
本日は実際の出来事を通して感じた「日本がデジタル先進国になるために解消すべき課題」について、IT事業者として語りたいと思います。

いつまで経ってもアナログなお役所システム

つい昨日のことなのですが、国民健康保険料納付通知書が届き、封筒の中に「口座振替のご案内」という紙が同封されていたので確認したところ、WEB上で受付ができるWEB口座振替が利用できると書いてありました。

これまでは口座振替手続きのために平日の日中に銀行に行って手続きするのが面倒だったため、銀行のアプリでバーコードを読み込んで決済していたのですが、WEB上で口座振替手続きができるなら来月から手作業も減るのでやってしまおうと思ったのです。

ところが、実際に申込画面を進めてみると、一部のローカル銀行やゆうちょ銀行でしかWEB申込に対応しておらず、メガバンクやネットバンクには対応していなかったのです。。
銀行側が汎用的なI/Fを用意してないからか、役所側のシステムの問題か、はたまた両方なのか。
詳細は分かりませんが、インターネットが普及し始めたばかりの1990年代ならまだしも、2025年現在も主要銀行に対応していないというのは正直、驚愕の出来事でした。

この有り様ではお役所仕事などと揶揄されても仕方がないと思います。
世の中がどんどんデジタル化して便利になってゆく中、いまだにアナログな手続きが役所関係には多数残っています。

こちらも実際に体験した例で言うと、以前、マイナポータルでパスポートの申請手続きを試したときも、当時住んでいた自治体がシステム的に対応していないということで、申請が出来ませんでした。
(2025年3月末にようやくすべての都道府県でオンライン申請ができるようになったようです)

システムの最新化を阻む如何ともしがたい理由

システム化に時間がかかりすぎなのもさることながら、そもそも自治体ごとにシステムを開発してバラバラ乱立させていることがおかしいと思います。
細かい部分でルールの違いがあるのは地方自治体の構造上、仕方のないことだと思いますが、パスポートの申請しかり基本的には日本国内で見れば共通して使える機能の方が多いはずです。

最近になってようやく、ガバメントクラウド上で共通化しようという流れが出来ましたが、ここまで時間がかかっているのには大きく次の3つの理由があると思います。

  • 新しいものを受け入れる寛容さが足りない
  • 既存運用を変えることに対する抵抗があまりにも強すぎる
  • 既存運用を変える側の人間が上記2点に該当している

これらのことは、高齢者の多い地方に行けばいくほど色濃くなっていくでしょう。
人間どうしても歳を取ると変化というストレスに耐え難くなっていくものだと思います。
それ自体は誰しも通る道で避けようがないですが、一番の問題は時代に合わせて国が衰退しないように新しいものを取り入れて発展させないといけない行政の役人達が高齢化して、既存のルールや運用にしがみついていることでしょう。

デジタル先進国になるためにメスを入れるべきこと

この先、日本が生産性の低いアナログな国を脱してデジタル先進国になるには、まずルールを決める立場の人間を若手に権限委譲して、時代に合わせて新しいことを吸収していくことができない人間を早く現場から立ち退かせるということが、少なくとも運用を変える際のルール決めやデジタル化の分野では必要になると思います。

とは言っても、残念ながらルールを決める側は自分達に都合のいいルールしか作らず、それを取り締まることが出来るシステムもないので、これからも余程のことがない限りは権力にしがみついて離さないでしょうから、私たちにできることは選挙に行って少しでも良さそうな候補者に投票することくらいでしょう。

あとは、一人のIT事業者としては行政システムの開発に携わる機会があれば、少しでも良いものに変革できるよう努めたいと思います。

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